コミュニティ要望調査2020年
合計件数: 72 件の提案、423 人の投稿者、1749 支持票
調査期間中の開始と終了の時刻を18:00 (UTC) とします。
- 提案の提出、議論、改善: 10月21日 – 2019年11月11日
- コミュニティ技術による提案の査読と整理 (ウィキメディア技術カンファレンスの期間を組み込んであります。): 11月5日 – 2019年11月19日
- 投票期間: 11月20日 – 2019年12月2日
- 結果発表: 2019年12月6日
皆さん、こんにちは!
第5回コミュニティ2020技術要望調査の更新情報をお知らせでき、たいへんうれしく思います。今年は例年とは異なるアプローチが決定されました。過去の実施では、皆さんが実現させたい機能や修正の提案書を書くようにお願いしており、コミュニティ技術チームは、投票で賛成票獲得数トップ10の要望を課題にしていました。今年はウィキペディア以外のコンテンツプロジェクトに焦点を当てることになり (ウィキブック、ウィクショナリー、ウィキクォート、ウィキソース、ウィキバーシティ、ウィキスピーシーズ、ウィキボヤージュ、ウィキニュース)、上位5件の要望を取上げます。これは恒例のプロセスとの大きな違いです。おそらく翌年 (2021年) には、従来のやり方に戻る見込みです。
それでは、なぜ今回の変更を実施するのでしょう? 私たちは何年も同じ形式を継続し — 一般的にこれは利点が多い方法です。優れたツールを構築し、有用な改善をもたらし、多様なコミュニティに影響を与えられるからです。しかしながら、この形式は本質的に最大のプロジェクト (ウィキペディア) を優先する傾向があります。そのため、小規模なプロジェクト群への改善の提供が難しくなり、そこから提出された要望の多くは要望リストに載らないままに終わりがちです。コミュニティ中心を掲げるからには、私たちはチームとしてすべて のプロジェクトをサポートしたいと考えています。したがって2020年には、ウィキペディア以外のプロジェクトに光を当てたいと考えました。
さらに採用する要望は5件とします。長年にわたり採用してきた大規模な要望 (グローバルな個人設定やWho Wrote Thatなど) は素晴らしいプロジェクトでした。同時に、これらは (訳注:完成まで) 長く努力しなければならない傾向があり、研究開発に余分な時間がかかります。一方で2019年の要望リストを見るとまだ未解決の要望が多くあります。他方で新しく集める2020年の要望には応じたいと考えています。このような理由があり、できるだけ多くの要望 (新規および2019年の対応待ちの要望) に対応できるように、要望リストを短くすることになりました。
コミュニティ技術チームは今年の調査にふさわしくなるように、ガイドラインの検討に時間をかけてきました。以下の各点が決定事項です (下記をご参照ください。)
- それぞれの要望はウィキペディアを除くコンテンツのプロジェクトで、担当チームがないものを対象とします (すなわちウィキブックス、ウィクショナリー、ウィキクオート、ウィキソース、ウィキバーシティ、ウィキスピーシーズ、ウィキボヤージュ、ウィキニュース。)
- グローバルな要望 (すなわち一般的にどのウィキも対象になる) は対象外です。
- 特定もしくは多言語版ウィキペディアのみに適用される要望は対象外です。
- ウィキデータもしくはウィキメディア・コモンズが対象の要望は対象外です。
- 最終的にどの要望を採用するかはその実行可能性をチームの業務範囲に照らし、ガイドラインに適合する案件の選出はコミュニティ技術チームに一任されます。
グローバルな要望を除外する理由:これまで時間を費やして、グローバルな要望を採用すべきかどうか検討してきました。一方では、それらの要望を採用してほしいという気持ちはよく理解しています。他方で、小規模なプロジェクトを支援するという目的が損なわれるため、要望リストをグローバルな要望で埋め尽くすのはよくないとも考えました。さらに、少しなら グローバルな要望を採用できる可能性はないかも議論しています。総合的な見地から、今年は採用する要望を5件に絞ることもあり、ただでさえ小規模なプロジェクトに充当できるリソースが限られているので、それを圧迫するのはやめたいと考えたのです。以上の理由を述べた上で、グローバルな要望は昨年の要望リストから採用する所存です (例:ウォッチリストの期限設定、差分表示で節のタイトルを示すなど。)
ウィキデータとコモンズ対象の要望を除外する理由:いくつかの理由があり、ウィキデータとコモンズ対象の要望を除外しました。第一に、どちらのプロジェクトにも熱心に取り組むチーム (単数もしくは複数) がすでにあり、非常に大きな改善を実現した実績があります (つまりウィキデータならウィキメディア・ドイツ支部のチーム、コモンズなら構造化データチーム。) ところが、その他のウィキペディア以外のプロジェクト群では状況が異なり、貢献するチームもなくこれまでの実績として開発チームからサポートを取り付けるのに苦労してきました。第二に、ウィキデータもコモンズも本質的にグローバルなプロジェクトであり ― たいへんすばらしいことではありますが、2020年の要望リストの趣旨には合致しません。
総合的にみると、これは実験的な取り組みであり、多くのことを学習したいと期待しています。来年は幅広いコミュニティの皆さんとのやり取りを実現し、これまで充分に対応できなかったプロジェクトへの支援と、規模の小さなプロジェクトにどうすればもっと力をつけられるか、ウィキメディアン全員が考えるよう応援したいと考えています (その中には私たち自身も含めて!) これに加えて昨年、要望リストにあがってきたグローバルな要望にも対応できることを喜んでいます。皆さん、フィードバックをよろしく投稿してください。11月には皆さんの提案を読めるので、ぜひ楽しみに待ちたいと考えています。どうぞよろしくお願いします!
コミュニティ技術チームはウィキメディア財団の作業チームで、活発なウィキメディアの参加者のニーズに合わせて専門性の高いキュレーションや修正用にツールを改良することに特化しています。このチームが基本的に取り組むプロジェクトは、毎年恒例のコミュニティ要望アンケートおいてウィキメディアのコミュニティによって決められます。
実際に活動しているウィキメディアの貢献者は、毎年1回、このチームに取り組んでほしい機能や修正の要望を提出することができます。受付は2週間で、その後、最も関心のある提案に投票をしてください。
この調査のプロセスはウィキメディア・ドイツ支部のTechnical Wishes(技術要望)チームが考えたもので、ドイツ語版ウィキペディアで行った要望調査に基づきます。ウィキメディア財団のコミュニティ関与チームから国際的な要望アンケートに支援を受けています。
恒例のコミュニティ要望調査は今年で第5回を迎えました。去年の要望は今、どういう状況かご参照ください。
提案の提出期間にはこの企画の最初の2週間を当てます。
ウィキメディアのすべてのプロジェクトのあらゆる言語版の貢献者の皆さんから、提出期間に提案を受け付けます。2020年に実現させたい新規機能とならんで既存の機能の改善も提案してください。記述する言語に制限はありません。英語以外の言語で記された提案書は、誰でも読めて投票できるように、主催者側で翻訳の手配をしようと考えています。
提案の内容は直接ウィキメディアの貢献者に役立つ明確なタスクとし、簡潔にまとめてください。 提案書には次の事項が必須です。
- 解消するといい問題はありませんか?
- 困っている利用者層とは? (編集者、管理者、ウィキソースの編集者など具体的に)
- この問題の現状は?
- 解決策の内容は?(提案がある場合)
提案はできるだけ具体的に書いてください。「(機能Xが)古い」、「改善する必要がある」、「バグが多い」と言うだけでは、何をする必要があるかを理解するのに十分な情報ではないのです。良い提案は、何が問題か、誰がそれに影響を受けているかを正確に説明します。提案について特定の解決策がない場合や、解決策をいくつか思いついたのにどれが最善かわからない場合は、問題ありません。
提案書の提出で、プロセスの開始段階をクリアしました。提案段階の2週間を使ってコミュニティに協力してもらい、投票段階で成功する可能性を高めるために、提案書の改良作業を進めていきます。提案書に対して誰でもコメントできますし、より良いものを目指して質問したり、変更を提案したりしましょう。よく似た提案が複数あるなら合併できます。提案の内容が非常に幅広いなら、より具体的なアイデア単位に分割するほうがいいかもしれません。目標はあくまで、最良の提案をまとめて投票段階へ持ち込むことです。
提案書の提出者は、それを改良する議論に積極的に参加することを期待されますから、変更案を集めたり意見を聞いたりするなど支援役をお願いします。そのためにアカウント1件当たりの提案を3件に制限し、もし投稿が4件以上の場合は3件に絞り込むよう依頼します。とっておきのアイデアをお待ちしています!
同様に提案者は登録利用者に限定し、ウォッチリストを活用して確実に議論の経緯を追い、質問に回答できるようにしています。投票権と同じでウィキメディアのプロジェクトの少なくともどれか1件で活動中の編集者に提案権があります。これらの基準を満たさない場合や、上限の3本に達したのにもっとアイデアを提示したい場合には、他の利用者に働きかけてその人に提案書を出してもらいましょう。
ご注意:ウィキメディア財団 (WMF) が管理する現行の機能の停止や廃止を求めても、コミュニティ技術チームの対応範囲外です。したがって投票の対象に含まれません。
はい、過年度には得票が少なかった提案を、もう一度提出することができます。
昔の調査から案を引っ張ってくる場合は、その案を「自分で引き受けて」ください—つまり、そのアイディアに関する議論に活発に参加し、投票段階で強くなるように積極的に案に何度でも修正を加えてください。前述のように、提案は一人3つまでですし、その中には昨年の調査からの再提案も含まれます。
以前の議論にリンクを貼るのは理解の手助けになりますが、昨年の議論や得票まで複写するのはご遠慮ください。昨年の議論で有意義な指摘を受けた場合には、提案の中に組み込むか新しい提案の中で告知してください。
提出期限の〆切後の1週間を使い、皆さんとともに提案書の査読にとりかかって投票期間の開始に間に合わせます。
活動中の貢献者はどなたでも提案を査読して、応援したいものに投票してください。投票する提案の数に制限はありません。公正さを確保するため投票権は登録利用者に限定し、また登録直後のアカウントによる票は除外する場合があります。
「支持」の票のみ集計した結果により、要望の提案を得票順に発表します。 提案者は自分の提案に対して自動的に支持票を投じたものとして集計します。
そうは言っても投票期間には議論に積極的に参加してください。「不支持」や「中立」の票にコメントを付けて投票する方法があります。議論によって、他の皆さんがどの提案に投票しようか決めやすくなるでしょう。また採用された提案の実現作業にとって、その議論は有益なインプットになるのです。
自分の提案をお知らせするカンバスは適宜、認められています。できるだけ多くの人々に働きかけて構いません。自分が活動するプロジェクトやウィキ・プロジェクト、利用者グループへの呼びかけを奨励します。もちろん票を増やそうと多重アカウントを使ったり投票や賛否の変更を強要することは禁じます。良心的な「投票率を上げる」呼びかけは大歓迎です。
それぞれの提案書の受理は以下の基準に照らします。
- 提案書の主題は技術的変更に関するものとし、方針や社会改革は適用外
- 提案書は問題を述べるものとし、必ずしも特定の解決を求めるものではない
- 主題を十分にしぼりこめているかどうか。関連のないばらばらの問題の寄せ集めは対象外
- すでに他のチームの業務計画に組み込まれていないか、もしくは過去に他のチームにより不受理になっていないか
- 過去にすでにコミュニティ技術で不受理になっていないかどうか
- チームの対応範囲 (英文) に収まるかどうか
コミュニティ技術部門は上記の基準に適合しない提案を不受理にすることがあります。
得票数の順位によって要望の優先順位が決められますが、コミュニティの技術チームは支持票が多い要望を評価し対処する責任を負っています。そのため、コミュニティの技術チームは上位の要望をすべて調査し、技術的なリスク要因と社会的・政策的なリスク要因の両方を評価します。反対票と中立票は潜在的な欠点を明らかにする上で非常に有効です。論議を呼ぶような要望について、コミュニティ技術チームは投票とより合意に基づいた評価とのバランスをとっています。
例えば、2015年の調査ではこれが功を奏しました。「ユーザウォッチリストを実装してほしい」という要望に対し、非常に多くの支持票が集まりましたが、心から反対する票もいくつかありました。コミュニティ技術チームは両方の意見を聞き、このプロジェクトを実行するかどうかについて意思決定しました。
The 2020 Community Wishlist Survey is now complete! We want to thank everyone for their participation in this year’s survey. It was a very civil and smooth process, and we appreciate all of the help that we received. Now, we’re delighted to announce the top 5 wishes from the survey:
- Improve export of electronic books (Wikisource)
- New OCR tool (Wikisource)
- Migrate Wikisource specific edit tools from gadgets to Wikisource extension (Wikisource)
- Inter-language link support via Wikidata (Wikisource)
- Insert attestation using Wikisource as a corpus (Wiktionary)
Here’s what comes next: We’ll begin analyzing these five wishes after the new year. During our analysis, we’ll consider various factors, including possible dependencies and risks. Once we’ve completed this analysis, we’ll determine which wish to address first. We’ll create a project page on Meta-Wiki for that wish, which will outline the project vision. We’ll also ping all the wish voters, so everyone can share their suggestions and questions on the Talk page. From that point, updates will be found on the project page. The first project page should be launched in the next few months (no set date yet), but you can visit the Community Tech page for updates in the meantime.
As a team, our goal is to address every top wish in the Community Wishlist Survey. This means that we analyze each wish and determine if it’s workable (i.e., within scope, no major conflicts with other teams, etc). In many cases, the wish is workable. We then continue with the research and planning, followed by development, testing, and deployment. However, we sometimes identify significant issues or risks associated with a wish. In such cases, we investigate alternatives and ways to mitigate the risks. As a last resort, we sometimes decline certain wishes, but only after we rule out other options. Above all, we make sure to address each wish and share our findings with the community.
As this year draws to a close, we want to thank you, again, for participating in the survey! It was a fantastic experience for the team (and we hope for you too!). After the new year, we’ll begin reaching out with plenty of questions, ideas, and updates. We’re excited to begin the work to improve Wikisource and Wiktionary. Until then, we wish you a happy new year, and we look forward to collaborating with all of you!