WMB、セルビアに着く
教育Wikiカンファレンス2023に参加して
去る5月26日から同29日までウィキメディア・ブラジル協会(WMB ) より代表4名をセルビア開催の2023年ウィキ教育カンファレンス(ベオグラード)に派遣しました。Stela Madruga、Thais Morata、João Alexandre Peschanski、Amanda Chevtchouk Jurnoはいずれもブラジルの利用者グループに属するボランティアで – 3名目と4名目はそれぞれ会長、教育科学普及担当部長を務めています。今回の共催者であるウィキペディアと教育利用者グループ※ならびにウィキメディア・セルビア協会とともに、WMBが支援組織に加わることができ喜ばしい限りです。(※=Wikipedia & Education User Group )。 collaboration with Wikimedia Serbia.
ブラジルからの参加者は発表2件、ライトニングトークとワークショップ、パネル討論会1件ずつに登壇しました。João Alexandre Peschanski はたびたびウィキペディアと教育利用者グループ代表の肩書きで参加しましたが、以下のとおり、ブラジルのローカルの状況を語り、活動の説明もしました。
聴覚の健康を広める教育とウィキメディア
カンファレンスの初日、ウィキメディア・ブラジル協会のパートナー関係を主題に、ブラジルの大学教授6名、アメリカの国立機関NIOSH※1 とCDC※2 、国連機関WHO※3との締結 について発表。登壇者はThais Morata、Amanda Chevtchouk Jurno、 João Alexandre Peschanski でした。(※:1=National Institute for Occupational Safety and Health。2=Centers for Disease Control and Prevention。3=the World Health Organization。)
このグループはブラジル政府の助成金を受けており、聴覚の健康を高めるには学校の授業に組み込む教材の作成と調整に取り組み、ウィキバーシティでは聴覚学入門(聴覚の研究) のMOOCを作成して、さらにグローバルな「#Wiki4WorldHearingDay2023」キャンペーン参加を予定しています。
プレゼンテーションでは、WMBメンバーはこの経験に基づく、教育への取り組みを拡大し強化する要素を強調した。「マルチコンポーネント戦略を構築し、あなたの地域で同じインタレスト(興味関心or利益)を共有する他のグループと明確に連携することが不可欠です。また、地域のアフィリエイトと連携し、(アウトリーチ・ダッシュボードなど)技術インフラストラクチャを用いることで、機構の調整を手助けし、指標を通じて結果を確認してください。」プレゼンターらはまた、それらが存在しかつ利害関係者全体に渡って広がっているため、人々にリソースを探すよう奨励した。終わりに、体系的な学術文書と様々な環境での研究の普及は、構築中のアイデアを広め、より多くのボランティアを惹きつけて集め、取り組みを正当化するのに役立ちます。
教育とウィキメディアの未来
5月27日、カンファレンス2日目の最初の討論会では教育とウィキメディアの未来を概観、登壇者はJoão Alexandre Peschanski※ほか、世界各地から集まった教育プログラム代表者がこのテーマに関する将来性を協議。写真のとおり、João とともにブラジル代表として以下の人々が参加。Brahim Faraji、Bukola James、Rahmi、Frank Schulenburg。司会進行役の Yop Rwang Pam(WMF)は登壇者が語ったさまざまな経験談を綴り合わせて、情報を整理してまとめあげた。この討論会の模様は 録画をご参照。(※"=ウィキメディア教育利用者グループの参加者でブラジル協会(WMB)会長。)
オンラインの研修コースを充実して編集者を増やす
このほかカンファレンス2日目にはWMB教育と科学普及担当のAmanda Chevtchouk Jurnoが主催しRahmi さんとDian さん(両名ともWMID※)と組んでウィキメディアン3名で共同発表をしました。題名を「オンライン版研修を構築して編集者を増やすには:インドネシアとブラジルの経験」と付けて、オンラインコースの有効性を対象とする編集者や教育者を増やすこと、教育機関と協力することの面から話しました。それぞれ現場とするインドネシアとブラジルの舞台裏を説明し、ご参考まで使用したスライド集はこちらにあります。RahmiさんとDianさんは、インドネシア人でウィキペディアを学びたい人に適したウェブ版研修コースの開発者です。当協会のアマンダはウィキバーシティで進行中の MOOC作成作業を紹介し、その趣旨はブラジルの教育者が学生と一緒にウィキメディアのプロジェクト群をどう使いはじめたらよいか、必要な情報を凝縮し簡略な方法で提示することにあります。(※=ウィキメディア・インドネシア利用者グループ)
職能開発をウィキデータで
5月26日のライトニングトークでは、「ウィキデータを使った職能開発:ブラジルの図書館司書対象のワークショップの事例」※と題して図書館司書のStela Madruga(サンパウロ大学USP/Brazil勤務、ブラジル協会のボランティア)が話しました。 講演の録画はリンク先にあります。(※=Professional development through Wikidata: a case study of a Workshop for Brazilian librarians。)
プログラムとイベント・ダッシュボードのコツと裏技
カンファレンス最終日には「プログラムとイベント・ダッシュボード」※のワークショップが開かれ、教育ウィキの講師 LiAnna Davis の補佐役にブラジル協会のAmanda Chevtchouk Jurno がつきました。参加者に初歩の初歩から上級編のコツやツールを解説した動画の全編版は以下にリンクがあります。(※=Programs & Events Dashboard。)
ワークショップ報告、ウィキペディア INAD 2023
2023年4月26日は「国際騒音の認知記念日」(INAD※1)でした。サンタカタリナ国立大学(ブラジルUFSC※2)、トゥイウチパラナ大学(ブラジルUTP ※3)、サンパウロ大学(ブラジルUSP-バウル校舎※4)、モントリオール大学(カナダUM ※5)各校の教授を招き、ウィキメディア・ブラジル協会(WMB ※6)はこのテーマに即した(エデイタソン(編集大会)を実施。その趣旨とは日常生活の騒音の影響に光を当て、ウィキペディアに有意義で質の高い記事を投稿することです。(※:1=International Noise Awareness Day。2=Federal University of Santa Catarina。3=University of Tuiuti Paraná。4=University of São Paulo。5=Université de Montréal。6=Wiki Movimento Brasil。)
音響音声学(言語療法phonoaudiology)と関連分野専攻の学部学生と院生は2ヵ所の会場に集合しました。バウル会場はサンパウロ州の田園地帯にあり、サンタカタリナ州の州都にはフロリアノポリス会場を設けました。同イベントはリモート参加者をプロジェクターで投影し、現地会場の参加者と結びました。ブラジル協会(WMB)のAmanda Chevtchouk Jurno(教育・科学普及活動責任者)はオンライン参加者対象のチュートリアルを担当、ウィキペディアの編集の初歩を指導しました。オンライン参加者のイサベル・クリスチャーヌ・クニヨシ※1は「危険なデシベル・プログラム※2」の講師でINAD ブラジルの全国調整役※3は参加者を歓迎し、イニシアチブの素晴らしさを讃えました。("※":1=Isabel Cristiane Kuniyoshi。2=Dangerous Decibels Brazil Program。3= National Coordination of INAD Brazil。)
当エデイタソンの成果として、参加者62名、ウィキペディアの新規立項10記事、改版した記事119本(ポルトガル語版と英語版の合計)、バイト数の増分は 147キロバイトです。今回のイベントのダッシュボードはこちら。
このイベントは UFSC市民大学で、音響音声学部の講座に選定されました。イベント参加者を画像でご紹介します。
第24回ウィキメディアと教育ワークショップ
第24回ウィキメディアと教育ワークショップ※1では、Fábio Souto de Azevedo が「優秀な教員はウィキペディアを宿題にする。それ以外の教員は存在すら知らない」と題した発表を行いました。5月18日午後5時(UTC-3)開始、発表者はウィキペディアの編集歴は2011年からで、純粋・応用数学科の准教授でリオグランデ・ド・スル大学(UFRGS※2、ブラジル)に勤務し、学部の学生にプロジェクトを使った授業の実績が豊かです。これまでの経験をワークショップで参加者と共有し、学年暦1年で学生たちが遭遇した課題や困難も紹介されました。(※1 XXIV Wikimedia & Education Workshop。※2=University of Rio Grande do Sul。)
発表を終えたサンパウロ大学の学生 Erika Guetti Suca は数学統計学大学院計算機科学(USP、ブラジル)の博士課程在籍で、ウィキメディア・ブラジル協会のボランティアとして参加者に Scholia というツールの説明をしました。いくつかのサンプルを見せながら、ウィキデータを利用した視覚資料の作り方を示しました。