助成金:知の共有/コネクト

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Let’s Connect – Peer Learning Program

レッツコネクトについて発表、ウィキインダバ・カンファランス2023、開催地はモロッコアガディール

レッツ・コネクトとは? – 仲間から学ぶプログラム

当プログラムでは安全で開かれた学びの場をウィキメディアン全員対象に作り出し、組織化されたグループの一つとして仲間同士でさまざまな技能を共有したり/または学べるようにして(組織運営・対人関係・学習と評価など)価値が増えたり一緒にコミュニティの役に立とうとしています。 (当プログラムの)目標は、ウィキメディアの運動戦略に照らして技能開発、知識の共有、人と人とのつながりを呼びかけ、自分たち以外のグループやコミュニティ間で協力し合ったりなどがあります。

このイニシアティブの起源はどこ?

仲間同士の習得プログラム(Peer Learning program)とは、コミュニティ聞き取り調査の過程で多様な集団から受けた要請に応じたもので、助成金戦略の再起動企画であり、要請には助成事業は経済的支援にとどまるべきではない点、受給者同士で知識を共有する大切さが強調されました。さらにまた、「運動戦略の勧告」 に挙がった運動内部の能力開発の機会拡充にも該当します。

レッツ・コネクトは誰のため?

対象範囲は全ての地域でグループ活動をするウィキメディアンの皆さんです(かなり間口が広く、正規登録をしていない任意の個人の集まり、利用者グループ、ウィキメディア協会、趣旨に同調する各種団体まで含みます。)要点として参加者はウィキメディア運動におけるそれぞれの作業の展開のため、自分の知識を提供するチャンスを探していて、他者からの学びを期待している点にあります。ウィキメディア基金の受給者も、将来の申請を検討中でもかまいません。

基準のチェックリスト:

  1. ウィキメディアンで組織化されたグループに属していること(これらは公認の提携団体であるかどうかを問いません)。要点はグループがウィキメディアの集団作業を計画立案し実施を介して、ウィキメディア運動への貢献を目指すことです。
  2. ウィキメディアンの皆さんはこの組織化されたグループ内で何らかの役割を分担し – ボランティアでもコア運営陣または職員でもかまわず、少なくとも当該の組織に寄せる貢献に自発的に関与していること。
  3. ウィキメディアンとして技能を学んだり人に伝えたいと考えて、単に個人としての学びにとどまらず、より大きな集団の役に立ちたい人。
  4. ウィキメディアンとして集団活動に特化した技能の習得に関心がある人(計画立案、イベント運営、評価。)
  5. ウィキメディアンで他の人の研修となる空間の主催を見越し、ウィキの技能を学ぼうとしている人(技能習得は利用者個人の投稿を超えた目標がある)

レッツコネクトの対象外は?

  • 個人のウィキメディアンで、組織化されたグループもしくは提携団体に所属していないが、ウィキメディアのプロジェクト群で個人として投稿するためにオンウィキの技能を積み上げたいと望む人。
  • 新規参加者(Newcomers)がウィキメディアのプロジェクト群に個人として投稿を始めて間もない人。その技能の蓄積はまさに主催者と提携団体の役割であり、「レッツコネクト」には新規参加者のオンウィキ技能研修の余力はありません。
  • 主催者に属するタスクに関与しない人たち(タスクとは他の利用者の研修やイベント立案、さまざまなタスクで組織を補佐などのこと。)

仲間同士の習得に特化する根拠は?

 
レッツ・コネクトの企画紹介(スライド集)
  • 相互学習はさままな学習協力形態の1つです。正式な教育環境で行う正規教育が一般に構造化した知識を構築し移転しようとする点とは異なります。研修は運動全般にとって非常に重要な学習方法で、特にウィキの特定の技能とプログラム戦術を中心に据えます。
  • 相互学習は上述の努力を補う可能性がありそれが強く期待され、同じプロジェクトの仲間やボランティア、コミュニティ参加者の間に水平で柔軟な学習形態を生み出すこと – 対象は同じ使命に突き動かされ、同様のタスクを実行し同様の課題に直面する人々です。学習のさまざまな段階に快適で安全な環境を提供:知識を得るだけに止まらず実践すること、建設的なフィードバックを受け取り、学びを振り返るなど、学習のプロセスをより社会につなげて楽しいものにすることが想定されます。
  • 相互学習とは、多様な様式やつながりを介して技能を習得し能力を伸ばすことができるものです。またニーズや関心が生じたときに、それらに基づいた自律の継続したプロセスに進むことも可能になります。当然ながら、これはウィキメディア運動における一般的な学習形態であり、その構築の基盤は協働とボランティア活動に置かれます。

重要な注意事項:このプログラムは、コミュニティが抱える能力構築のあらゆるニーズに応えるわけではないものの、次の各点に役立つと見込まれます。1)コミュニティの特性を見極め、ウィキメディア運動内で他の学習・研修空間と結ぶ。2)ウィキメディア基金助成金枠で方策を探し、能力構築への投資を優先。

プログラムの特徴

プログラムの雰囲気と特徴

  • 良質な学習環境と文化を促進
  • 多言語であること
  • 適応できる:さまざまな状況や地域の力学、多様なコミュニティや文化の発展レベルに対応。
  • ボランティアが手すきかどうか、仕事量やニーズ、状況の多様性に適用。単に評価やめんどくささ、押し付けの形ではなく – 有用で参加が楽しみになる空間として把握。
  • 焦点は、どの要因が良い結果を決定したかに当てつつ、同様に重要な視点はうまくいかなかったことは何かどこで発生したか(予期せぬ出来事、事故や〈失敗〉)、さらに、そこからの学びは何だったかにも注目します。たとえば、うまく機能するには地理的位置やテーマまたは言語を限定するとよいが、他の地域ではうまく行かないかもしれないものなど。
  • 文脈ごとに実践に適合させる:関連トピックのうち、プロセス自体から学ぶ深さが十分なものを実践の面から洞察して共有、さまざまな文脈に適用する方法と価値の理解に役立てます。
  • タイムリーに提供する:地域ごとのプロジェクトの設計や実装、評価のサイクルに適合させます。
  • 双方向性:人的な交流を促し、実践型のハンズオン体験を増やします。
  • 柔軟である:複数のトピックや形式、時期に対応します。
  • 包摂性:正規教育では時として目に見えない能力があり、それをコミュニティで見える化に取り組みます。合わせて参加の障壁を軽減するには支援のサービスとタイミングに配慮が必要です。明確でシンプルな言葉を使うと、理解も翻訳もしやすくなります。

参加にも様々な方法:  

  • 共有者または学習者として:主な参加者となる各コミュニティの参加者で、知識や経験の共有、他の人から学ぶ空間に参加する人たち。
  • レッツ・コネクト大使:コミュニティの参加者であり、自分の地域または関心のあるトピックを中心に学習空間を組織したり、それに必要な予算確保および後方支援の役割を引き受けてくれる人たちです。
  • レッツ・コネクト作業グループ:コミュニティの参加者で、アドバイザー役または運営陣の一員として積極的に機能し、プログラム全体の調整を支援します。
(※=Working Group。)

レッツ・コネクトで何をする?

 

当プログラムは主に2つの学習空間で構成します。

  1. 学習クリニックを月例で実施、参加者20名前後の人脈作りに役立てます。範囲は地域単位もしくは地域横断型も可能。(※=Learning Clinics。)
  2. コミュニティ参加者同士を1対1でマッチング、生配信のウェブ茶話会(コーヒーブレイク・お茶飲み話)ならびに/もしくはリソースを提供します。これらは連続形式で実施するもので、技能の索引に基づいて作業グループが仲介したり、参加者同士で直接、人脈を結べるようにします。

これらの場を円滑に動かす支援の要素は3つあります。

  • 技能の台帳:「マッチング」の基本となる全般的なデータベースで、コミュニティの参加者の技能を特定し関心を共有(The skills directory)
  • リソースセンター:メタにあるごく基本的な空間で、学習空間と関連するあらゆる素材を共有 – 動画記録、ガイドライン、解説文書類、参考資料、デッキ類。(Resource centre)
  • さらに人脈を築く: 参加者に情報を提供しウィキメディア運動に既存の空間へのつながりを築く。これらの空間は実践にあたるコミュニティ、定期的なミーティング、研修、イベントなどを対象としていて、地域やさまざまな主題あるいはプログラムごとにバラエティがある。情報やつながりの根本となる重要な根源としてウィキメディア運動のコミュニティ・カレンダーがある。(Making other connections)

学びのライブ・クリニック、「今月のホットな話題」 企画書と報告書の日程について

構成:

これらの学習クリニックは対象領域を2つ想定。I. 月例クリニックで、その時のホットな話題を主題にする。II. 四半期単位で実施、申請書や報告書の書き方のクリニック。

  • 月例のグループ作業(セッション)では各回のテーマを選び、学習ニーズ把握のたびに繰り返す課題や、興味深い事例を共有して学びに結びつけます。例を挙げるなら、主題の一覧表で注目したいものが複数あり、初学者研修で関心を寄せたいツールや指導法など。実施形式の提案:Zoomを利用して1コマ1時間半の生配信、時間帯を変えて合計2回、逐語通訳付き。
  • 四半期単位で地域別もしくはテーマ別の グループ作業(セッション)を開き、ウィキメディア助成金受給者が提出する報告書と、申請書の準備段階に関する学びの場。よくあるテーマをいくつか主題にするか、ウィキメディア基金類や地域でこれまでの実績としてできた戦略を主題にすることも可能。趣旨としては、作戦や成果の中から興味深いものを取り出して、思ったよりもうまくいかなかった点、困りごと、調整するともっと改善できることや、スケールアップできそうなことを話し合います。

サポート

  • 作業グループと学習大使(※)はデータベースを活用、興味を惹かれるどの事例研究を発表に使うか抽出。もしも参加登録者の人数が少なくて共有が困難な場合、探す範囲をコミュニティの人脈経由で積極的に広げる。 ("※"=Learning Ambassadors。)
  • コミュニティ資源チーム(略号CR)から作業にサポート可能、必要に応じて方法論を提示したり技術的なプラットフォームを提供したり、翻訳サービスや資金援助で対応。(CR=Community Resources。)

非同期参加

コミュニティ資源チームでは、セッション後に「レッツ・コネクト」のリソース空間で情報を整理し、開催時間外の参加者の利用のため、またコミュニティの他の参加者が意のままに使用したりダウンロードできるようにします。その範囲として、(参加者の同意を得た上で)ライブ録音の全編または一部、さらに翻訳済みの共有資料が含まれます。

レッツコネクト茶話会 1対1の人脈作り

構造:個別のコミュニティのグループ内にある学習の興味に応じ、他のグループ・個人が共有できる能力を1対1でマッチングします(お見合い)。推奨される形式は、期間を1.5時間、コーヒータイム・お茶飲み話形式1対1生配信※1で対話します。参加者の上限4名は意義深い対話の下地とし、また話題を掘り下げ、それぞれの置かれた状況(文脈)や特異なニーズにフィットさせます。この1対1のつながり※2には、2つの実施方法を考案。選択肢1:月例の開催。CRチームと作業グループ主導で技能の索引に基づきマッチング。選択肢2:参加者(共有者)が直接、対話を交渉。必要ならCRチームに介入を依頼、例えば通訳・翻訳のサービス手配など。(※:1=1:1 coffee/tea live conversation。2=1:1 Connections。)

重要な機能としてコミュニティ参加者のなかから関心分野ごとに共有者となる可能性のある人を、プロセスの特定の時点および段階で特定すること、そしてこの情報の使い方に戦略を設けることです。強力なツールを開発し、これらの関心の登録と照合を継続するには時間も投資も多めに必要であり、技能交換※1というイニシアティブの利用と、担当者としてウィキメディアンの作業グループが実行する計画です。このツールの完成は(めどは2022年)、「レッツ・コネクト」プログラムにとって主要な情報源の1つとして役立つと考えられます。初期段階では基本的なデータ収集ツールとして Google フォームと Google シートを使い、登録項目はどんな学習に興味がありニーズは何か、またアイデアや能力を共有します。ウィキメディア・フランス語話者利用者グループ※2ならびにウィキメディア・スウェーデン協会※3では それぞれ独自に便利なツールを開発、これらも探求する価値があると考えられます。(※:1=Capacity Exchange initiative。2=Wiki Franca。3=Wikimedia Sweden。)

当CRチームでは以下の2件の情報源から、ここでいう〈技能の台帳〉をまとめる予定:

  • 助成金報告書(2020/21)と翌年分の申請書(2021/22)に依拠した情報。報告書を分析して、興味深い事例や学び、参加者に共通の関心を割り出す予定です。 また同様に、他者から学べる場はどこにあるか、申請書の分析により理解に努めます。
  • 提携団体の全件に対し、現役の助成金受給者も今後の申請者も含めて申請書式をお送りします。この書式は公開の文書ですので、助成金の申請を検討している人たちにも、情報更新の機会と、新しい学びの取り込み、関心の教養にお役立てください。

技能の台帳の使い道

  • With participants' consent, some key information in this initial database will be made public on Meta. It will be used as a source of information to proactively communicate and organise the different learning spaces.
  • 参加者の関心分野と思われるときは、積極的に「レッツ・コネクト」の学習クリニック活動に招待します。
  • Provide any community member with key information about others’ learning and sharing interests to contact them autonomously and set up a 1:1 Let's Connect coffees/teas or resources sharing. The only requirement is that community members register a brief summary of the result of the interaction.
  • Proactively invite members to connect to existing resources and learning spaces organised by other community members and/or the Wikimedia Foundation (as those outlined in the ecosystem mapping). These spaces and channels will be continuously mapped and communicated through the Learning and Evaluation meta page, email group and through the Let's Connect telegram channel.

情報源のページ

これはMeta 上の非常に基本的な空間です(タブへのリンクあり) – ビデオ録画やガイドライン、解説文書や参考資料、デッキ類など、学習スペースに関連するあらゆる資料を共有 (タブへのリンク)。すべての資料の翻訳は不可能かもしれませんが、できるだけ多くを翻訳する努力はしてみてください。重要な注意事項:これは堅牢なリソース・センターとして運動戦略が義務化したものではありません。最小限のキュレーションが行われるとしても、それを掘り下げるにはコミュニティの努力、それに対応する職員の割り当てを要するからです(将来の段階で望まれます。)将来的にはこのプログラムから、運動全体のより強固なリソース・センターの開発が期待されます。

人脈

これは補完的でも重要な要素です。この戦略は既存のさまざまな空間を複製しないで参加者に情報を提供することが主眼で、コミュニティの中でも新規参加者が運動内のどの既存の空間と繋がっていないか推測し、そちらと結ぶよう手配します。1. アカウント登録を済ませた参加者全員を対象として、興味のある分野に応じた学びの空間カレンダーと連絡先を提供すること。ここで言うカレンダーとは、コミュニケーションチームが開発した運動のコミュニティカレンダーを下敷きにして作ります。また空間とはトピックやプログラムごとに地域単位で設定します。その内容も、実践者向け、定期的な会議、Telegramグループ、学びの共有に使うSNSアカウント、学びを記録するニュースレター、またオンウィキで展開するなら交流空間やイベント、会議やメンター制度などをまとめたコミュニティが可能です。このカレンダーを構築する際は、財団職員ならびにコミュニティ参加者で、これらの空間のリーダーから補助を受けてください。そのための動機づけ(インセンティブ)として、当該の空間を専用に連絡経路を提供します。

「レッツコネクト」の文化と環境を伸ばすには

Peer learning requires working in the right mindset, environment, and incentives for this to happen. This is a process that needs time to build and consolidate. It is important first to communicate the nature of the program so that people will be interested in registering their information and participating in the spaces. It is important to emphasise the “culture” that the program wants to help promote. Let's Connect is:

  • A space that welcomes curiosity and where there are no stupid questions.
  • A space that welcomes errors and dialogue. A space that welcomes sharing knowledge, without fear of it being misused or appropriated by others. A space that welcomes newcomers, that values fresh ideas, and limited knowledge of the “Wikimedian ways of doing things”. A space that explicitly tries to give space for groups that are not often seen or valued as “sharers” of interesting case studies.
  • A safe environment that abides by the Universal Code of Conduct and Friendly Space Policy.
  • Not a space for showcasing successes, or as a form of reporting or feeling evaluated. This should be an environment for honest reflection about processes, learning the WHY and HOW something worked well, but even as important, why it might not have and what was taken from this.
  • 横のつながりを重視し、コミュニティ主導または主催の実施であり、財団の支援を受けます。開設当初は財団が導く形でも、希望的な観測として、空間ごとにそれぞれのコミュニティの参加者をエンパワーして、やがてはリーダー役を務めたり、サポートに徹した役割を担ったりすると望ましいのです。
  • この空間では、さまざまな形の学習を重視し、他者とつながる選択肢を複数、提供していきます。全ての人がたった1つのサイズしかない服を着ることはないからです。
  • 他の人たちの作業を認識する空間であり、必要な帰属をきちんと付けてそれを適応したり複製したりします。
  • あらかじめ限界を認識した上で、特定の空間を設けて助成金やリソースに限定せず、能力開発に役立つ他の形式の学習を補完する道のりも提供します。
  • この空間では団結と相互補助、双方向の学びを伸ばします。

それぞれの学習空間でも、意思疎通や広報の手順でも、これらのキーポイントを繰り返し見直します。必要が発生したら特設セッションを催してもっと話し合い、このプログラムの文化を醸成し、果たしてきちんと築けたかどうか評価する最善手法を考察します。

具体的な学びとは?

プログラムの主眼は出会いのきっかけを支え、より間口が広く上のレベルを目指した習得プロセスを視野に置きます。しかしながら、結びつきが生まれて複数の空間を得ると、そこからさらに習得と実践の深化に向けたチャンスができると期待されます。一例として、実地の習得クリニック=1対1の会話だと、時間を要する課題として組織作りあるいはウィキ固有の技能や戦術を深く学ぶにはおそらく目標に到達できないとしても、グループ同士のコネ作りにより可能性として期待できる事柄として、重点課題やツールや取り組み方、事例集などを理解し合ったり、さらには既存のコミュニティ空間で互いに指導役(メンター)を引き受けたり研修を頼んだり、あるいはまた助成金申請書に正規の研修実施を盛り込むことにもつながるかもしれません。

以下の表は最初の試みとして、共通の関心が集まるであろう主題や領域をまとめてあり、これらは初期にコミュニティ参加者の皆さんと財団職員が交わした対話その他の学びのニーズ把握(ッマッピング)に基づいています。当然ながら、学びのニーズの完璧な一覧ではありませんし、時間とともに改変されるでしょう。初期に行った試験的な試みは大部分が学習空間を見つめる判断材料として、実践的な学習に十分な深さとつながりが提供できるかどうか、また参加者と協力して興味のある主題を特定し、学習とニーズと能力を共有することを目指します。プログラムの開始に役立つように興味深いトピックを緑色で示してあり、会話の中で頻繁に出てくるのでご参照ください。

カテゴリ 課題/主題
助成金関連の具体的な課題
  • 成長のさまざまな経路や到達度、ニーズを把握
  • プログラム設計と戦略:(活動そのものを越える部分 – 文脈としてのニーズの読み取り、どこを変更すべきか戦略開発/取り組み方の把握。)
  • 学習と評価の計画設計
  • 定質的な評価手法
  • 定量的な指標を得るウィキメディアのツール類、ことに参加者数、編集者数、定着率、コンテンツ投稿の量について。
  • バッジ制度の開発
  • 報告書/ストーリー発信※1/結果の発信※2
  • 持続可能性、拡張性、助成金管理の考察
(※:1=storying telling。2=communicating results。)
プログラム運営の戦略
  • 新規参加者の効果的な研修/初学者の体験
  • 共通の課題へのアプローチつまり文化と歴史遺産との取り組みの革新/キャンペーン実施。
  • 声が十分に届かないコミュニティから新規参加者を招き入れるさまざまな戦略
  • 取り組み方と実務上の経験値。対象は教育プログラム、人権、持続可能性、ジェンダーギャップ
  • 新規参加者の取り扱いの戦術
組織運営の技能/能力/持続可能性
  • 習熟のさまざまな道のり、段階とニーズを理解している
  • チームの統率(役割分担の調整/人員配置/組織運営)
  • リーダー開発/再研修(燃えつきの予防、持続可能性、多様性)
  • ボランティアの管理と功績の評価(既存のボランティア支援者ネットワークならこの役割の場になり得る)
  • 資金の手当て
  • 経費管理の実務
  • パートナー関係の確立と実効性を維持する
  • 擁護の経験知
  • 嫌がらせ行為や衝突の仲裁
  • 組織統治
ウィキプロジェクト群で使う技術面の技能※
  • 編集初学者が利用できるリソースのマッピング(案内作り)
  • ウィキデータの使い方入門と他のプロジェクトにどんなふうに役立つか解説
  • 波及効果の高い話題の見つけ方
  • 手順を自動化するツール類 (例:AutoWikibrowser)
対人の技能
  • ウィキで、またオフラインで衝突を 変換
  • 個人やコミュニティがオンラインでもオフラインでも、包摂性や安全な環境を豊かにする技能。(たとえば共感、意思疎通など)
  • これを中心に開発した有用なリソースがいくつかあります

*ここで留意したいのは、ウィキの技能を学べるリソースはツールの使い方、初学者の編集入門その他たくさんある点です。当プログラムは研修用に新しいツールキットを開発するのではなく、むしろそういうツールの知識を交換したり、コミュニティがそれらのツールについてさらに指導体制やガイダンスを受けられる場を作ろうとしています。

時期が重要。習得はどの段階でも関心を集める可能性あり。助成金申請書の書き方や文脈単位の報告書作りの講習と学びの場が重複する場合、習得体験の実効性を高める結果となる可能性あり。

日程表

段階 活動 日付
第1段階:試行段階 初期の試験期間 2022年3月 ‒ 2022年9月
第1段階の満了 現状の審査結果とプログラムの展開 2022年9月
学んで適応 速成の評価:フィードバックの評価、定性と定質のデータ分析の結果

プログラムの改訂と今後の助成事業ならびに支援サービスの確保。

2022年10月
第2段階 プログラムの第2段階。成果とフィードバックに適した評価基準と支援サービスの新規導入も検討。 2022年11月 – 2023年9月
設計と発進 [合同発進] 2022年11月18日
ワーキンググループの公募 2023年1月
拡大チームの始動 2023年2月
評価 学びと振り返りの連続 2023年8月
第2段階の満了 現状の成果とプログラムの展開 2023年9月

役割

ウィキメディア財団コミュニティ資源チームの役割とは?

  • 参加者を学びと共有の担い手として 、あるいは大使として認めて資金面で援助し、また参加の動機となる例えば参加証明書発行などインセンティブを提供をします。(詳細はインセンティブと支援の見出しを参照)
  • 学習プログラムの機会をさまざまなチャネルを介して、積極的に広報し、意思を疎通します。
  • 基本の役割は特定の学習コンテンツ作成や、共有セッションの主導ではありません。ただしコミュニティ・リソース班には専門分野があり、特定の領域で必要に応じて学習セッションを主導できるのは、申請書の作成、学びや評価などです。
  • より公平な参加機会の促進については、過小評価されてきたコミュニティや新規参入者を対象として着目し、助成金受給者と信頼関係を築いて歓迎する環境を設けて、受給者が安心して自分たちがどの能力の補完にニーズがあるか表せるように、また他の人と共有できるようにします。相互学習プログラムで得た学びを集約して最善手法(優れた実践例)の探求に役立て、将来の能力開発ばかりか、助成金受給案件の取り扱いに際して考慮できるようにします。(※=good practises。)
  • セッションの研修内容の開発に関して引き合いがあった場合、プログラム設計におけるウィキメディア財団の他のチームや地域基金委員会の成員との連携を介して、当チームの学びの領域や専門知識の分野に沿って積極的に参加します。コミュニティの他の共有者とのパートナー関係を熟慮して保証することが肝要であり、望ましい「学習文化」を財団職員ならびに外部からの参加者とともに発展させます。これが関わる課題には、ウィキメディアのツール類や発明や研究分野、プログラムの実施戦術、パートナー関係の戦略その他が含まれるかもしれません。
  • 当プログラムを、関連のある運動戦略の開発その他、財団またはコミュニティ主導の取り組み(イニシアティブ)とすり合わせます。

財団の他の職員の役割:

  • 他にも複数のチームが積極的に学習プログラムに参加する予定です。当該のチームはプログラム設計の初期段階で重要な役割を果たしてきましたし、プログラムの実施段階にも積極的な参加が期待されます。列記するなら、コミュニティ開発、コミュニティ・プログラム、運動戦略、運動コミュニケーション(広報連絡)および提携関係それぞれのチームです。担当として想定される役割は次のとおりです。(※=Community Development。Community Programs。Movement Strategy。Movement Communications and Partnerships。)
    • 作業グループに参加してプログラムの運用面に協力します。
    • 興味深い事例で、学習空間に役立つものをマッピングする努力を支えます。
    • 技能の索引を評価し、自分たちが関与したプログラムから得た知見を補完します。
    • 参加者をこの領域に結びつけるため、学習空間に関連した情報を更新します。
    • 方法面の支援、研修ツール、取り組み方を提供します。
    • 当該チームが協力する地域社会に対して、当プログラムを広め意思疎通を媒介します。
    • 共有者の立場で、学習空間に参加します。
    • 当プログラムに関し、見守りを助けフィードバック提供を補佐します。
  • 信頼安全製品チームでは、友好的であるべき空間の問題の拡張にも一役買っています。人材文化チームの役割も大切で、持ち前の経験とツールに基づいて学習文化の推進に手を貸します。

これを構築した道のりは?

当プログラムの設計初期段階は参加型プロセスを採用、コミュニティ参加者と財団職員合計40名超を招き、プログラムの焦点と戦略を主題とするブレインストーミングを実施しました。これは継続的な学習プロセスですから、コミュニティ参加者の皆さんは当プログラムに関するお考えをぜひコメントとしてトークページに投稿するか、直接のご連絡なら、メールにて右記のジェシカ・スティーブンソン(Jessica Stephenson)に宛てて送ってください - jstephenson wikimedia.org。

レッツ・コネクトの試行期間のまとめ

 
レッツ・コネクトの学習報告 – 2022年試行期間(英文)

試行期間は2022年4月から8月にかけて実施、複数の活動と人脈作りができました。実際に集団としてのつながり醸成に加え、1対1の人脈やさまざまなトピックに関する学習クリニックを複数回、催しました。参加者のつながりが確立したばかりか、相互学習の空間について重要な洞察にも焦点を当て、学びとして把握できました。要点は数値ではなく、空間やツールや支援そのものが有意義か、コミュニティに付加価値を与えるかどうかと把握しました。 詳細は、概要レポートをご一読ください。そこには試行段階のプロセス、反省と成果、詳細な学習をまとめて紹介してあります。

主要な重要な洞察は、下記に簡潔に述べます。

コミュニティ – 財団作業グループ
成果: 小規模なコミュニティ財団チームを統合し、プログラムにおいて協働。
学び:

  • 拡張し、すべての地域を代表すること
  • 答えは常に、コミュニティの主導促進であること
  • 鍵となるのは、提携団体が推す参加者

ここで言う参加者とは?
成果: 熱心に受け入れられた:ウィキメディアン140名が参加登録
学び: 参加者の多様性:

  • ほぼ全員が主催者の経験が初めてもしくは経験値が中程度、もっと知りたい意欲大。
  • 研修の道のりを求めるニーズは多様、どう対応するのか?
  • 提携団体主催の参加を増やすこと:提携団体との緊密な連携があるのは50%止まり。

学習クリニック
成果:

  • 合計11回実施、内容は申請書の書き方、評価方法、計画の立て方、ストーリーを語ることなどで、参加者は220名前後
  • 共有者は15名超:時間と努力を喜んで提供しました。
  • フィードバックの提出率25%、内訳は役に立ったと思う人70%、でも、もっと知りたいとのこと

学び:

  • 関心はあるけれども、共有者の自薦をもっと増やす必要があること。
  • ニーズのレベルそれぞれの表明法、より深い研修に結びつけるには?
  • 制限条件として通信環境が負担
  • 提携団体と共同して支援の方策を探ること

1対1の人脈
成果: 17組の 1対1の人脈とクラスターグループ、参加者はおよそ40名。
学習:

  • コミットすることは大きな挑戦。
  • もっと楽に人脈作りができる方法を知りたい、空間に参加したら可能な限り多くを得てほしい。
  • 将来を見越して人脈を築くこと
  • リソースの共有 + 組織化を進める(成果が出るまで時間がかかる!)

身につけたいと一般に思う技能の上位

  1. 所属する組織の計画と戦略を立てるとき
  2. ウィキメディアのツールでクエリやスクリプトを動かすもの(PAWS、Quarry、WDQS)
  3. 学習と評価の計画を定義する
  4. SNS、マスコミ、放送媒体に参加する
  5. ボランティアの管理と人材開発(さらに関連のある対人技能)