ウィキメディア・イスラエル/URAAに関する理事会への書簡

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URAAに基づくコモンズからの画像の削除に関するWMILから理事会への書簡

親愛なる理事会の皆様方へ、


ご存知の通り、莫大な量の非米国の画像の著作権状態がパブリック・ドメインから著作権で保護されている状態に変化したGolan v. Holderの著作権事件に関して、ウィキメディア・コモンズ上で議論がありました。この議論の結論は、そのような画像には実際に問題があるが、ケース・バイ・ケースの原則に則り削除されるだろうというものでした。実際の影響は、莫大な量のパブリック・ドメインの画像がコモンズから削除される(アップロード者にのしかかる証明責任もあります)のみならず、コモンズにアップロードされるのを待っている数百万のパブリックドメインの画像も中ぶらりんになっているのです。これは明らかに、世界中の多くのGLAMパートナーシップを妨げたり、排除したりしますし、さらに、コモンズから、その多くは歴史的に重要または象徴的であるのに、数百万の画像を奪うでしょう。

コミュニティの決定の背景となる理由は、コモンズのサーバーがアメリカ合衆国にあるために、すべてのパブリック・ドメインの画像は、他の国における状態にかかわらず、アメリカ合衆国において明白にパブリック・ドメインでなければならないことでした。財団の法務チームは、法的立場 を公表しました。実際にはいかなる立場を取るものでもありませんでしたが、妥当な法的主張を行いました。けれど、むしろコミュニティが訴訟からウィキメディア財団を法的に守ろうとしていることは明らかであるのだから、財団がこの問題についてどんな立場を取るか具体的に述べるべきだということは理にかなっています。
ウィキメディアの立場は、現在の法的状態をただ解釈するだけでなく、行動し、変えようとするものだと信じています。

これを踏まえ、我々は、直ちに許可することによるものであろうと、法的反動のリスクを犯さずこのようなアップロードを許可するためのその他の和議を行うことによるものであろうと、アメリカ合衆国において必ずしもパブリック・ドメインではないパブリック・ドメインの画像をコモンズにアップロードすることの支持をはっきりと述べ、行動していただくことを理事会に対し要請します。数百万の画像の運命がかかっています。これはことによると、PIPA/SOPAが成立していた場合に危機にさらされたであろうコンテンツの量よりも多いかもしれませんし、財団はPIPA/SOPAに関する自身の立場を非常に明確にしました。コモンズ上のパブリック・ドメインの画像へのアクセスをブロックすることが、表明されている我々の運動の狙いに反し、正当性に深刻な痛手を与えることは言うに及びません。

これは、PIPA/SOPAと似たケースです。そして、財団は、あらゆる手段を講じてコモンズにおけるこれら画像の使用と公開を許可することができますし、すべきです。明らかに、コミュニティは、それが全ウィキメディアの事業の合法性を守ると考えて、不本意ながらこれら画像の削除を始めていますが、財団が傍観者の立場を取るなら、唯一これが真実になります。我々は、財団が関われば、PIPA/SOPAのケースと同様に、問題はすぐ解決するものと信じています。

我々ボランティアは、イスラエルであれ他の国であれ、関連画像がパブリック・ドメインであることを明らかにする公式文書を手に入れるのに最善を尽くしています。 しかしながら、これは政府が所有する画像に対してしか行えません。個人が所有する画像に対しては、このプロセスはほとんど不可能であり、各個人に画像の著作権を解放してほしいと求めるプロセスと違いはありません。我々が血眼になってあらゆる種類の解決策を探しているように、我々は、財団がすべてコミュニティの、ひいては公共の立場で行動すると期待しています。

これは、我々の支部だけでなく他の支部にもコモンズの運用について再考し、代替策を探す気にさせました。我々は、この問題が財団によって適切に対処されないなら、画像を他の国にある代替サービスに移すことを検討することを余儀なくされるかもしれません。


予めお礼申し上げます。
—ウィキメディア・イスラエル理事会