ウィキメディア財団 年次計画/2022-2023/効率化

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業績と効率化を強化する

さらに制約された私たちのリソースを使って影響を最大化しようとする私たちのプロセスを評価し反復し、取り入れる


運動戦略勧告の10番目は「変化する運動と変化する世界の評価に基づいた方針と手順を採用して新しく変更された状況と課題に対応し適応する」ことを私たち全員に奨励しています。この評価し反復し、取り入れる努力には、ウィキメディア財団全域で責任のある明確な取り組み方を採用しなければなりません。

昨年の年次計画では、財団自体の業績(パフォーマンス)の向上と効率化が必要だと特定しました。共有サービス/管理機能(たとえば法務、財務、人事など)を相互により良く調整し、さらに加えて、特定のイニシアチブでは調整の改善による影響の亢進とコスト削減ができると考えられています。

一例として昨年の目標が挙げられ、財団がより多くの言語をサポートするには翻訳の共有サービスという取り組みを設けて、チーム単位でその業務をこなす必然性をなくしました。

翻訳と通訳

昨年、私たちは財団全体の運動との広報連絡(コミュニケーション)に役立つ翻訳支援と通訳支援の改善に向かう旅を始めました。リソース配分を確かめたところ、財団全体のほとんどのチームは言語サポートを重点的に提供しているとわかりました。ただし実務は、一連の外部受注者や請負業者およびボランティアが担当していました。私たちはウィキメディア運動に面した財団の広報連絡を改善するため、点と点をつなぐ言語サポートを取り入れはじめました。

言語サポートを年初の6言語から現在の25言語に拡大するには、人的リソースをプールしてプロセスを調和し、既存のツールをより適切に使いました。この進展には追加投資を含んでいません。取り組みは単一のフレームワークに沿って効率を改善し、実際に全体的なコストを削減しました。

来年は、以前に取り組んだ共有用語集に焦点を移し、翻訳方法の一貫性の向上を期待してウィキメディア内でよく使う単語一覧の作成を進めます。また当財団が委託する翻訳と通訳の品質管理の向上にも努めます。 最後に、翻訳者によるツール利用を今後も改善します。

財務・庶務サービス

昨2022−2023年度は財団に提供するサービスの改善、財務計画と説明責任に関与する目標を満たす取り組みを進めました。サプライヤー多様化プログラムの展開(Supplier Diversity program)、ウィキメディア・エンタプライズ(収益事業)には財務インフラを設定、主要な部門イニシアチブ全件にプロジェクト管理ツール実装を済ませており、自動化とユーザー・アクセスを改善し財団内の主要な ITプロジェクトが完了しました。

今2023−2024年度は業務ワークフローの改善を継続して業務の効率化を高め、適切な管理により財務結果を迅速に提供する予定です。財務上の制約、限られたリソースで最大の効果を達成するという当財団の責任ある取り組みが意味するものとは、財務計画に新たな焦点を当てること、世界中に分散した職員のニーズを内部の技術サポートで満たすこと、また人々がオフィスでも仮想環境でも最高の仕事を提供できる作業環境作りです。 独立系銀行および受託信託銀行と手を携えて、タイズ(Tides)からウィキメディア寄付基金のスピンアウトを完了します。

価値観のリフレッシュ

2022年に財団は、特に使命達成のためにを、特にどのように 成そうとしているのか、私たちの働き方について一連の話し合いを始めました。この会話のひとつは既存の組織の価値観が、その時点でも私たちに役立っているかどうかという問題に集中しました。価値観はすべての組織の根本であり、日常の行動、行動、期待を導くのに役立つ明確さと整合性を生み出すことができます。一連の小グループ単位のワークショップを通じて最初の価値観が更新され(「この使命に向けて共に進む」)、その記述がさらに明確に、より実行可能になりました。このプロセスを続けて残りの価値も検討して更新版をまとめて公開、承認を得る時期を2023年7月と定めました。

当プロジェクトの次の段階では刷新された価値観を中核的な人事プロセスに統合して、財団の日常業務で「それらを実現する」ことへ進みます。具体的には特に以下が含まれます。

  • 業績と個人の開発:価値観をウィキメディア財団の業績フレームワークに統合するには、昇進手続きを介して各人の業績評価とキャリア昇格のフレームワークに到達します。

学習:この価値観は職員の学習カリキュラム全てに組み込むもので、新入職員向けの着任研修で採用する職場文化講座が含まれます。

  • 採用:ここでいう価値観は、当財団のブランディングおよび採用の努力/手順に反映され、新規参入者が確実に職場文化に適応できるように役立ちます。

グローバルな多様性、公平性、包摂性のイニシアティブ

主な重点分野でグローバルなイニシアティブである多様性・公平性・包摂性に取り組むチーム(略称DEI※1)は、アイデンティティを共有して強力な職員ネットワーク作りに投資してきました。これら複数の職員リソース・グループは職員主導の自発的な集まりで(略称ERG※2)、その目的は互いに歓迎しあい多様で公平、包摂的な職場作りを進めることにあります。(※:1=DEI、Diversity, Equity, and Inclusion。2=ERG、These Employee Resource Groups。)ERGは職員のリソースとして機能し、財団による正式な設置と認知を受けました。これらERGは人材文化部門および多様性・公平性・包摂性チームの信頼できるパートナーとして機能します。活動中のERGは現在、8件あります。アフリカERG、南アジアERG、ラテン世界ERG、黒人ERG、アジアERG、女性および非バイナリERG、クィアERG、ニューロダイバージェントERG。(African ERG, South Asian ERG, LatinX ERG, Black ERG, Asian ERG, Women and Non-Binary ERG, Queer ERG, and Neurodivergent ERG)

2023−2024年次には、私たちの年次計画とERGがさらに足並みをそろえることに取り組み、またERGが地域の優先課題も地域の活動計画も支援できるようにする予定です。前述のERG8件には、ウィキメディアのテーマ別利用者グループとパートナー関係づくりを模索するところもあり、最善手法を共有したり、運動の提携団体と一緒に遺産月間の活動を祝うことも検討しています。最後に、ERGは職員が関与する主要な推進力として引き続き機能し、リモート・ファーストでグローバルに分散した就労形態の職員が互いに歓迎しあい、どんな背景の人々も互いを身近に感じることができるようにします。

2022-2023年次のもう1つの主な実績に、DEI※1リーダー研修ダッシュボードがありました。この多様性・公平性・包摂性に取り組むチームの進捗状況を追跡し、説明責任を確かにする中心的な場所です。同ダッシュボードは2023-2024年次も引き続き、同チームの取り組みの追跡に役立ちます。私たちは当年次計画に記した他分野において戦略およびプログラムの実効性のある仕組みを土台として、また組織のあらゆるレベルで説明責任の点検方法を作りバランスを取るようにさらに取り組みます。

危機管理

今年、財団は業績向上と効率化の進展を目指すイニシアティブの1つとしてエンタープライズ(収益事業)のリスク戦略更新版を作り、組織として直面する主要なリスクの特定、同リスクの影響を軽減する緩和策構成を進めます。このプロセスは優先事項の特定と順位づけで進められ、さらに最優先リスクへの対処と、その過程の追跡が含まれます。その主導は法務および財務チーム全体が調整した取り組みが担当します。